新型コロナウイルス感染拡大、いよいよイリノイ州にも自宅滞在命令が出ました。(マスク、自粛、買い占め、差別等々)
新型コロナウイルス感染拡大で仕事を中心にバタバタし始めましたので、更新が滞ってしまいました。
私が新型コロナ関連で最後に記事を書いたのは2月頭でした。その中でアメリカの感染者数を述べましたが、2/5時点で12人でした。
一ヵ月数週間たった現在のアメリカは、21日政府発表によると約1万5000人。増え方がすごい。私みたいな算数が苦手な人間では、何倍になったのか計算すらできないくらい大きな増加ですね。
そして現状毎日約1000人の新たな感染者が報告されており、伸び率も衰えない状況です。
感染者数については、その数え方が各国で異なるので、apple to appleの比較ではないと言われています。もちろんその真偽は私にはわかりません。ただアメリカでも風邪の症状が出て病院に行って検査を希望しても検査してくれないケースは多いと聞きます。実際に身近でも起きていました。
咳が出るという症状で判断すれば、新型コロナに感染している可能性はあります。
しかし検査をしないというケースがありました。
日本でも同じような状況で、病院に行っても検査をしてもらえないと聞きます。
このアメリカと日本の数少ない事例だけで何かを決めたり判断することはできませんが、何となく似たような状況があるということは言えると思います。
という状況の中でアメリカは未だに毎日1000人近く増えている実情があります。
日本の感染者の数字を見れば、アメリカと比してうまく感染増加を抑えることができているように見えます。
何がアメリカと日本では異なるのか?なぜ日本は抑えることができていて、アメリカは増え続けているのか。
専門家ではないので答えはわかりません。ただ日本人が行っていて、アメリカ人が行っていないことがあるのはわかります。
まず第一に、マスクの着用。二月の記事でも書きましたが、アメリカ人はマスクをしないです。本当にまずい状況になったらアメリカ人もマスクをするのかと疑問形式で書きました。
多くの方が亡くなり、自宅滞在命令が出て、信じられない下落幅で株価が下がり、雇用の需要も急激に減っているこの超非常事態でもアメリカ人はマスクをしません。
2月の記事で、アメリカ人はそもそもマスクの効果を疑問に感じているのではと書きました。
私もその時は実は少しマスクの効果を疑っていました。ただマスクをしている日本や中国で感染者数の伸びが小さくなってきている状況を考えると(その数字が100%信用できるかどうかはいったん置いておいて)、効果があると判断すべきと思います。
アメリカ人はその事実を知っていますし、最近はニュース等でもマスクの着用を推奨しています。それでも着用しません。
そしてスーパーにいってもマスクは品切れです。そうです、アメリカ人はマスクを購入しているのです。実際身近でマスクを購入したと言っているアメリカ人がいました。それでも着用しません。
周囲がしていない状況で自分だけマスクをすると周囲から嫌な目で見られることを恐れているのでしょうか。つまりアメリカ人は予防のためのマスクという考え方ができず、マスクを着用すれば周囲から既にウイルスを保有している人だと思われることを恐れているのでしょうか。
全て推測の域を出ませんが、正解はわかりません。おそらくアメリカ人個々でも意見が違うのではと思います。ただ事実として誰もマスクをしていません。
アメリカと日本で異なる点二つ目、パンやピザなど手でそのまま食べる食べ物が多いにもかかわらず、外から帰ってきた後に手洗いうがいをする文化はないようです。
これがアメリカで感染拡大が急増している理由かどうかはわかりませんが、理由の一つではと噂されています。
三つ目は外から帰ってきても靴を脱がず、家の中でもその靴を履いている。
これもアメリカで感染者が急増している理由だと言い切ることはできず、あくまで噂です。ただ外のものが中に入りやすい状況であることは確かです。
そして最後にこれは日本でもニュースになったのかわかりませんが、一部のアメリカ人は感染拡大を無視してフロリダのビーチで遊びに興じています。CBSが報じています。
実際に遊びに来ている人のインタビューでは、感染する時は感染したで仕方ないよというコメントもありました。
人がウイルスを運び、そのウイルスが免疫の弱い人に感染し、その方が亡くなるというケースを容易に想像できます。そのような情報は耳に入っているはずです。にもかかわらず、感染するしないを自分一人の問題と捉えるのは間違いだと考えるのが多数派ではないでしょうか。
一方で、過度な自粛が別の問題を生むことも理解しています。
登山家の野口健氏は、経済活動の自粛による不況で自殺者が出るくらいならという仮定の上で、「経済活動を継続しコロナに感染した方がいい」と述べました。
国際政治学者の三浦瑠麗氏は「コロナで死ぬ命と、経済で死ぬ命は等価」と述べました。
この二人の言うことも理解できます。かと言ってフロリダビーチのケースに何も問題がないのかというと、全く問題がないとも言い切れない気もします。
ここで新型コロナウイルスと季節性インフルエンザを比べてみます。一番の違いはインフルエンザにはワクチンと薬がありますが、新型コロナにはありません。
ワクチンや薬があってもアメリカでは季節性インフルエンザで年間一万人以上の方が亡くなります。致死率はインフルエンザの方が高いとも言われています。
しかしながらインフルエンザを気にしての活動自粛はしません。
インフルエンザで亡くなる方の数を見て、新型コロナで活動自粛するのに、なぜインフルエンザを気にしての自粛はしないのかという疑問に対し、みんがみんな納得する回答はないような気もします。
でもやはりフロリダビーチのケースに何も問題がないのかというと、全く問題がないとも言い切れないと思います。
この件については日本でも議論を呼んでおり、多くの意見や考え方があると思います。
続いて、自宅滞在命令について書きます。
自宅滞在命令ついて、シカゴ日本国総領事から以下のメッセージが来ました。
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本⽇イリノイ州居住者に対し,州知事から⾃宅滞在命令が発令されました。
この⾃宅滞在命令は3⽉21⽇(⼟)17時から4⽉7⽇終わりまでの措置となっていますが,状況によってはその後の継続や,別の措置がとられる可能性もあります。⾃宅滞在命令が発令されても「必要不可⽋な活動」のための外出は可能ですが,感染拡⼤を防ぐため他⼈と集まったり接触することのないように注意してください。
10⼈以上の集まりは禁⽌されています。
可能な活動の⼀例は以下の通りです。
・スーパーへの買い物
・レストランへのデリバリー注⽂やピックアップ
・薬局での薬の購⼊・病院での診察・ガソリンスタンドでの給油
・ハイキングやランニング,⽝の散歩
・「必要不可⽋な仕事」のための通勤
・託児所の利⽤(特に、勤務が必要不可⽋な⼈のため)
(「必要不可⽋な活動(Essential Activities)」及び「必要不可⽋な仕事(Essential Businesses and Operations)」の詳細については,以下を参照願います。)
https://www2.illinois.gov/Pages/news-item.aspx?ReleaseID=21288
また,スーパーや薬局、ガソリンスタンドは通常どおり営業しているので,買いだめをしないよう呼びかけています。学校の再開は当⾯4⽉8⽇からに延期されます。⾃宅滞在命令に従わない場合は当局が声かけを⾏いますが,それでも命令に従わない場合には警察が裁判所から停⽌命令を得て指導が⾏われ,最悪の場合裁判にかけられる可能性もあります。在留邦⼈の皆様におかれては,良き市⺠として今回の命令の遵守に努め,不要不急の外出を避けて,引き続き関連情報の収集に努めて下さい。
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最悪の場合、裁判になるので、法的拘束力はあると考えて良いのだと思います。
人々の生活を維持するための食料品や薬局、ガソリンスタンド、病院、物流や輸送にかかわる現場は、”エッセンシャル”と呼び例外扱いで、操業が続けられます。
これによりいったん完全な街全体のシャットダウンを危惧して発生していたトイレットペーパーやティッシュの買い占めはいったん落ち着く可能性があります。
しかし、この対策でも効果がなかった時にどうなるのか。完全シャットダウンは起こりうるのか、様子を見ていきたいと思います。
最後にアジア人差別について。
政府機関であるCDC(Centers for Desease Control and Prevention - アメリカ疾病管理予防センター)は噂に惑わされないための新型コロナウイルスの正しい知識を公表しました。↓リンクです。
この中のFact1にいきなり、「人種や民族に関係なく、全員に感染し得る」と書かれています。
つまり事実として、発生当初アジア人にのみ感染するウイルスという噂があったものと考えます。
ただシカゴにおいては、相変わらず全くそのような差別は感じません。最後にオヘア空港から出張で飛んだのは2月の中旬ですが、中国人と思わしき男性が一人、いかつい完全密閉型のプラスチックマスクをしていました。
しかしながらアメリカ人はその中国人の方をじろじろ見ることもなく、至って自然でした。(同じ黄色人種の私は、彼の安全面を考えると少し不安になりました。)
また動きがあれば記事を書きます。